10月、会社で福島県に行っておりました!
福島県内も古くから張り子の工芸が盛んだった地域で、だるまの他に起き上がり小法師、赤べこなどの郷土玩具が有名ですよね。
今回は赤べこの発祥地である柳津町で、伝統を絶やさぬよう頑張る伊藤千晴さんにお会いしに行きました。
伊藤さんは群馬県高崎市出身で、2019年から地域おこし協力隊に着任を機に福島へ移住。協力隊のミッションである「赤べこの制作技術取得・継承」のために研修をしつつ、赤べこの制作活動にあたっています。2022年から町所有だった建物を借り受けて「やないづ張り子工房Hitarito」を開業しました。
制作している赤べこの素体でご協力させて頂いており、ご縁があり工房を見学させていただきました。
赤べこの制作は、組み立てのお手伝いさんが1人いる他は、ほぼ1人で制作から事務作業までをこなしています。
制作している張子は、福島県内で4か所、そのうち2か所は町内で販売しているそうです。
絵付け作業中のべこ
絵付け作業中のべこ
組み立てられたべこ
地域起こし協力隊は最終年の5年目に突入しており、任期終了後はJR只見線・柳津駅舎内に工房をオープンするそう。今は普段の仕事のほか、新たな工房の準備もあり、お話を聞く限り忙しい毎日を過ごしていらっしゃる様子でした。お時間くださりありがとうございます・・・!
柳津町は赤べこの発祥地とされていますが、伊藤さんが工房を構えるまでは町内に赤べこの工房が一つもない状況にあったのだとか。張り子の研修は、西会津町野沢の張り子工房で作り方などを学んでいたようです。会津中部地区は張り子人形の生産が盛んな地域でしたが、西会津町の方でも赤べこを作る民芸工房は数軒、起き上がり小法師に至っては会津若松市にある工房1件のみという厳しい現状もお聞きしました。
そんな中でも海外を視野に入れた展開も考えているそうで、ケニアやオーストラリアにも赤べこを送り出したそう。
「赤べこを一過性のブームで終わらないようにしていきたい」と今後の展望についてもお話ししてくださいました。柳津駅にオープン予定の工房は、ワークショップの場も兼ねていて「町のエンタメの場みたいになれたら」と考えているようです。
柳津駅舎についてあまり知らなかったので、調べてみると、JR東日本から駅舎を譲渡してもらい、情報発信交流施設として整備のため工事を行なっているんですね。2024(令和6)年春に新駅舎の利用開始を目標に計画を進めているんだとか。整備後は工房の他に、越後三山只見国定公園や只見線沿線地域等の情報発信機能の設置、只見線利用者と地域住民の交流スペースを設置されるそうです。(参考資料→https://www.jreast.co.jp/press/2023/sendai/20230405_s03.pdf)
施設整備で町が賑わうと良いですね。今回は町内の観光はできていないのですが、町内には看板やプランターの赤べこが沢山いました。ポケモンのラッキー公園や温泉などもあるそうで、機会があればゆっくり観光もしてみたいです・・・。
伊藤さんの工房HPやSNS
http://www.hitarito.com/
@hitarito_hariko
柳津には赤べこが至るところに置かれていました
なんとも言えない表情が可愛いですね