新作はりこーシカ「ももたろう」ができるまで
日本の昔話「桃太郎」が、遊び心たっぷりの張り子人形に。
シリーズで人気の「はりこーシカ」から、物語を立体で楽しめる新作「はりこーシカ ももたろう」が登場しました。
入れ子構造で展開するキャラクターたちと、背面に描かれた鬼の姿――。
飾っても遊んでも楽しい、立体絵巻のような張り子人形をご紹介します。

はりこーシカ ももたろうとは?
「はりこーシカ ももたろう」は、日本の昔話『桃太郎』の登場人物たちが次々と出てくる入れ子構造の張り子人形です。
桃太郎の体の中から、犬、猿、キジが順に登場し、さらに背面には鬼の姿を描いた“リバーシブル仕様”。
まるで物語が立体で飛び出してくるような、絵巻のような構成が特徴です。
制作秘話①:登場人物5人をどう収める?
「桃太郎」「犬」「猿」「キジ」「鬼」――桃太郎に欠かせない5人の登場人物を、どう無理なく1セットに収めるか。
これは、企画当初からの最大の課題でした。
既存商品「金太郎」は3体で5,000円台。5体になると価格が上がり、手に取りにくくなってしまいます。
そこで「登場人物は4体までに抑える」という制約のもと、鬼をどう表現するかがポイントになりました。

最初期のスケッチ。人形の数を3つくらいにししようとしていました。
「鬼を紙のお面にする」「仲間たちを合体させる」などの案を経て、最終的にたどり着いたのが、
桃太郎の背面に鬼を描き入れる“リバーシブル仕様”という方法です。
この工夫により、すべてのキャラクターを一つのセットに収めながら、コンパクトで遊び心のある構成が実現しました。

鬼・桃太郎・猿・犬・きじのスケッチ

リバーシブル使用。真ん中から見るとこうなっています。
制作秘話②:塗り仕上げか、和紙貼りか
形が決まってからも、うまく入れ子になるまでにリサイズしたり調節したりなど行なっていきます。
下の画像は工場に送るサンプルができるまでに生まれた方たちです。

3Dプリンターで出力した原型や、和紙貼り版です。
方にして張子にした後は、塗りパターンと和紙貼りパターンを作成していきます。和紙貼りはあたたかみが出るのが特徴で、良い意味で手作り感も出してくれます。今回は動物も多いので和紙貼りが合うと思い作り進めていくと・・・。
鬼!かわいいぞ!服(?)もいい感じにワイルドになりました!

和紙貼り仕上げの鬼
ところが、ももたろうは圧倒的に顔色が悪くなってしまいました。工場で持っている和紙のストックからだと肌色が血色悪く感じるものに・・・。
これでは犬・猿・雉のお供がいたとて鬼に勝てないのではと心配になってしまいますので、塗り仕上げとなりました。

和紙貼り仕上げの桃太郎
制作秘話③:パッケージと見せ方の工夫
「はりこーシカ」シリーズでは、最も大きな人形がパッケージに使われるのが基本。
しかし今回、サイズ的に「鬼」が最も大きくなってしまう可能性がありました。
とはいえ、鬼をパッケージにすると、物語の印象が逆転してしまうという懸念が……。
そこで、桃太郎の背中に鬼を描きつつ、桃太郎をパッケージのメインにすることで、主役の印象を損なわずにすみました。
さらに今回から、入れ子構造やリバーシブル構造が伝わりやすいパッケージデザインに一新。
実店舗での販売時にも、手に取った人が構造を理解しやすくなっています。

まとめ:昔話を手のひらに
「はりこーシカ ももたろう」は、昔話を通して親子で楽しめる張り子人形です。
和紙の温かみ、入れ子構造の驚き、背面に描かれた鬼の意外性――それぞれが物語の一場面のよう。
お子さまへの読み聞かせや、春の節句、外国へのギフトなどにもおすすめです。
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