2026年に入ってもう4月も下旬に入ろうとしていますね。今年といえば、1月18日に群馬県内初となるIKEAが前橋にオープンしましたね。土地を取得し、開店計画を発表してから10年がかりの念願のオープンです。県内にお住まいの方々はもう行かれましたか?当日には式典も執り行われ、緑色、黄色、紫、青、ピンクのだるまに目を入れて開店を祝いました。
目いれの様子
目を入れたあと
実は、式典で使用されただるまは弊社が制作を弊社が担当させて頂きました。
明るい色合いに水玉やボーダー柄などポップで楽しげなデザインは北欧を強く感じるデザインです。その中でも紫は、赤城山が胴に書かれて店舗のある前橋を前面に押し出した絵付けです。色も前橋の市旗が紫ということからこの色となりました。
紫色のだるま。
側面はこんな模様です。
IKEAだるまは先方から頂いデザインをもとに、手書きによ描きおこしを行いました。まずは、頂いたデザイン画のデータを元に弊社で小さめのダルマに絵付けを再現。やり取りを経て、本番のダルマに絵付けをしていく流れで進めていきます。
絵付けの様子
絵付けをしているのは企業案件を担当することが多いM島さんです。真っ白なダルマにピンクの水玉をこれから書いていきます。写真を見比べて水玉の位置をチェックして・・・
ここらへんかな・・・
ぬりぬりぬり
真っ白なだるまに柄や色を塗っていきます。
完成!
顔部分を薄めのピンクで絵付けし、柔らかい仕上がりになりました。口元もにっこりして楽しげですね。ピンク以外も口元はにっこり仕様です。ちなみにピンクだるまの目入れは一番乗りした一般のお客様が入れたとか。
ほか3つのだるまデザイン
青のボーダー
黄色のボーダー
ボーダー柄でお腹に「Hej!(ヘイ!=こんにちは!)」と書かれた青と黄色。式典では青をIKEAジャパンのペトラ代表取締役、黄色にはスウェーデン大使館の臨時大使ヨハンナ公使参事官が目入れを担当されました。
格子柄が特徴的な緑のだるま
側面のデザイン
格子柄と側面のデザインが特徴的な緑。
真正面だと見えずらいので、ぜひサイドも・・・。
紫色のだるまと同じ模様になっています。式典での目入れは前橋店の店長が担当されました。
式典でペトラ代表取締役も「地域との連帯を大切にしていきたい」とお話されていたこともあり、伊勢崎出身の漫画家あらゐけいいち先生の書き下ろしイラストもありました。群馬のイメージである「だるま」を弊社にご依頼して頂いたこと大変嬉しく思います。式典後も1Fの出入口付近に飾られていました。画像はIKEA前橋店様の公式ページより(https://www.ikea.com/jp/ja/stores/maebashi/)
お声がけのきっかけ
IKEA前橋店は国内で最も環境負荷が最も低い店舗運営を目指していることもあって、SDGsへの取り組みが活発そうという点でお声がけを頂きました。過去には大丸東京店様の取り組む「Think Green」のディスプレイに、再生だるまを手がけたこともつながったのではないかと思います。
また、SNSや広報がまだ手探りのため、あまり発信できておりませんが弊社では「サスティナブルな社会づくりのために、モノづくりでアクションを行います」
をスローガンに5分野に分けて達成を目指しています。
5分野はそれぞれ
「環境の保全」
「社会貢献」
「公正な取引」
「労働慣行」
「経済価値の実現」
SDGsの目標で当てはめると「環境の保全」が13番の「気候変動に具体的な対策を」と15番「陸の豊かさを守ろう」。
商品開発や製造から破棄に至るまでを環境負荷の少ないよう配慮し、石油系塗料の使用を減らした商品開発を行ってまいります。また、製造では手作業がほとんどでありますが、ソーラーパネルを設置して再生可能エネルギーによって工場稼働できるよう設置準備を進めています。
社会貢献
「社会貢献」は1番の「貧困をなくそう」と5番の「ジェンダー平等を実現しよう」さらに10番の「人や国の不平等をなくそう」となります。弊社は自社工場をベトナムに持っており、同地方での継続的な雇用や障害者雇用・女性の仕事創出を努めています。日本国内では近隣の福祉作業所へ内職の依頼をすることで仕事を創出。さらに、パートナーシップを結ぶ施設には材料などを提供やパッケージ・ポップなど制作してクリエイティブな面でもバックアップを行っています。
公正な取引
「公正な取引」では12番「つくる責任 つかう責任」に当てはまる目標です。
フェアトレードの推進、品質管理体制の整備、原材料の安全性確保と表記を行います。
労働慣行
「労働慣行」は「働きがいも成長も」を目指す8番。労働日時選択制度を採り、男性・女性・障害者それぞれの生活にあった労働時間を選択してもらっています。また、女性がより働きやすい職場となるよう、育児室の設置や母子家庭の在宅勤務の維持などに取り組んでいます。人材育成のために茶道教室や海外研修も実施しています。
経済価値の実現
経済価値の実現」は「9番「産業と技術革新の基盤をつくろう」にあたるもの。
張子といえばダルマや縁起物をイメージしますよね。もちろんこれらも弊社の主たる商品なのですが、和雑貨や授与品ではない商品開発としてマネキンも生産しています。
また、次世代の素材として期待されているセルロースナノファイバー(CNF)を張子でも活用できないかと開発を進めています。CNFは植物繊維の主成分であるセルロースを機械でナノサイズまでに小さくして生成した素材です。
軽量で強度が高い特徴を持っており、植物由来ということから生産や破棄の過程で環境負荷が小さいと言われています。
弊社の張子の多くは再生紙を使用していますので、もともと環境負荷が小さくはあります。とはいえ「紙」からのイメージよりは壊れにくくはあるものの、強い衝撃でヒビが入ってしまうのは確かです。環境負荷に配慮しつつ強度も増すことができたらと研究を続けています。
特に近年では作られる過程や手放すまで、人にも環境にも配慮されているかが注目されてきています。必須事項になっていくことは間違いないと感じていますので、どうしたら達成できるかは社内会議などでも度々挙げられています。