干支のはりこができるまで
■干支張り子制作
張り子商品の中で皆様が目にする機会が多い張り子の一つがその年の干支張り子ではないでしょうか?今回は干支商品ができるまでの一例をご紹介します。
弊社の干支張り子はスタンダードな民藝張り子の要素の中に毎年新しい視点を付け加えて作られます。
新しいアイデアは張り子クリエイターたちがデザイン画にしてそれぞれ持ち寄ります。(クリエイター以外の社員もさまざまなアイデアを持ち寄ったりします)シリーズ物はシリーズらしさが求められ、新作は新作の意味が求められます。これらは会議を重ね決定されます。
▲クリエイターが持ち込んだデザイン画
このようなデザイン画、数十枚の中から製作される張り子のラインナップが決められていきます。
この時点で選出されたデザインから試作品の原型制作が始まります。試作後に没になることもあり、その場合はまたデザインを考え直してリスタートになります。クリエイター脱力の時です。(笑)
▲張り子原型(この時点でサイズ調整等を行います)
原型ができた後に試作張り子制作用の型どりをおこないます。
試作張り子は手張りで一つづつ製作します。張り終えたものを乾燥させバリを切り取り、つなぎ合わせた後、白い塗装をかけて白仕上げ(絵付け前の張り子)が完成します。
▲試作張り子制作に使用した石膏雌型
白仕上げの張り子に合わせて役物(張り子に付ける紐飾りや鈴など)の調整も同時に進めていきます。
この商品の場合は組紐をあしらうことになっているのでサイズに合った長さを調整していきました。
▲デザインに沿った役物等の試作(叶結びの組紐を試作して調整します)
デザイン画をベースにそれぞれの張り子の持ち味を生かした絵付けを考案します
商品によっては細かい書き込みのあるものもありますが、基本的にはあまり書き込まずに素朴な味を出すことが求められることが多いです。そういった意味では足し算より引き算の多いデザインかもしれません。
▲張子の絵付けとデザイン(その張子の持ち味を生かした絵付けを考案します)
絵付けや飾り物が決まると生産型という型が作られ量産にうつります。量産品は手張り(手張りの場合もあります)ではなくバキューム形成(ポンプで髪を吸い上げ型に圧着させる装置)という方法で一度に多くの張り子を張ります。
機器は使いますが塗装や絵付け役物作り等すべて手作業のため、春〜秋まで長い時間をかけて作り続けます。
▲カタログに掲載された干支「叶 福結び卯」(丸赤目で可愛らしい干支になりました)
すべての干支商品は今月中〜末ごろからカタログ公開・商品販売予定となっております。心を込めて製作した張り子商品をどうぞよろしくお願い致します。